中学受験では、絶対外せない基礎単元 「水の状態変化」
アルファ実験教室では、3年生の最終単元として学びます。
この単元では、
「氷」→「水」→「水蒸気」
という変化を、温度や体積、熱の出入りなどの視点から見ていきます。
子供達の前提知識としては
1.水をあたためるとお湯になる
2.お湯をあたためると「わく」
というところまでは知っているようです。
間違ってはいないのですが、この程度のざっくり知識だと、受験では全く通用しません。
そこで、今回は水をあたためた時の温度変化と姿の変化を観察します。
丸底フラスコに水を入れ、温度計を差し込んで、アルコールランプで熱します。
熱し始めたわずか1秒後、すぐに変化が現れます。
温度は全然上がっていないのに、フラスコが曇りだす のです。
森「くもっているのは外側ですか?内側ですか?」
子「・・・・中?」
森「さわってみてください。熱くないよ。」
子 恐る恐るフラスコにふれる→くもりがとれる→「あ!外側だ!」
さわって初めて、フラスコの外側がくもっていたことに気付きます。
これはアルコールが燃えて出てきた水蒸気が冷やされて水滴になったものです。
さらに熱して40℃くらいになると、フラスコの底に泡がついてきます。
この泡は空気で、水に溶けていた空気がとけきれずに出てきました。
さらに熱し続け80℃くらいになると、フラスコの底から小さな泡がどんどん出てきます。
この泡は水蒸気。フラスコの底が熱くなり、蒸発して出てきたものです。
(この時点では沸騰ではない)
100℃になると、フラスコの水から大きな泡がさかんに出てきます。
水の内部から水蒸気が出てくる状態、これをふっとうと言います。
その後は、何分熱し続けても、温度は全く上がりません。
加えた熱は、水蒸気に変化するのに使われてしまったのです(4年生でやります)。
出てきた水蒸気はフラスコから飛び出し、湯気になりました。
観察終了後、実験データをグラフにまとめました。
このグラフ作りは差がつきます。
スイスイと書いて一瞬で仕上げる子もいる一方、
棒グラフにしてしまう子、点が1個も打てない子、
そもそもグラフの意味が分かってない子までいて、千差万別。
今回、グラフ書きで苦戦した子は、家で練習しておいてほしいです。
上は予習シリーズ4年上に載っているグラフです。
さまざまな「あわ」が出てくるとありますが、
この実験を経験していない子にとっては、
これらのあわはイメージが全くつかないことでしょう。
と、ここまで実験してきてちょっと聞いてみます。
「さっき水からボコボコ出てきた泡は何?」
と聞くと「空気!」と答える子が半数。
油断なりません。
「あのボコボコは水蒸気といって、水がすがたを変えたものなんだよ。
空気とはべつものだよ。」
と念押しが必要です。
|