「実験」という言葉を耳にすると、
「正確な操作で、正しいデータが大切」
というイメージをお持ちかもしれません。
私が学生時には、遺伝子やたんぱく質を扱っていたので、
試薬は
μ
ml単位を正確に混ぜ合わせて操作していましたし、
顕微鏡を見ながら1mmの生物に極小の針で注射したりと、
それこそ正確な操作と技術が必要でした。
データとしての正確さを求めるため、全く同じ実験をたくさんの数量・回数こなして、
信頼度を上げていました。
世界で一番早く新しいことを見つけたことを発表するためには、実験結果は正しく信頼できるものである必要があったためです。
しかしアルファで行う実験では、これまで知られていなかったことを探る実験ではありません。正確なデータ作りが目的ではないので、同じ実験を繰り返してデータの信頼度を上げることはしません。
実験器具の習熟も目的にしていませんので、多少間違った使い方でも、危なくなければOKです。(入試に問われる部分は直していきます)
それよりも大切にしていることは、
・実験結果をあらかじめ予測すること
・結果をワクワクしながら実験を進めること
・実験結果から、原理原則を頭の中で整理すること
だと考えています。
授業中、私は「どのような結果になるか?」といつも子供達に問いかけ、
みんなの前で予想させて自分の予想の証拠を残させます。
その予想が合っているか確かめるための実験ですから、真剣そのものです。
「どうなる?どうなった?」と実験結果を真剣に追い求めます。
合っていたら喜びもひとしおですし、間違っていたらとても悔しがります。
この感情にはたらきかける仕掛けが、アルファの特徴でもあります。
もちろん、実験後には他の班のデータもあわせてまとめ、
実験結果をからわかることを整理します。
とはいえ、ここではあまり時間をかけません。
子供達は私のくどくどした説明を聞きたいのではなく、
予想→実験→○×が楽しくてアルファに来ていると思うからです。
このような流れで、授業時間中次々と実験をこなすうちに、
2時間は、まるで100m走を駈けぬけるかのごとく一気に過ぎていきます。
アルファ実験教室において、実験は目的ではなく
「知識を楽しみながら身につけるための手段」 なのです。
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