桜蔭中の理科で、長瀞の地形などについての地学問題が出題されました。
「長瀞」とは、埼玉県にある地名で、古い時代の地層が表面に現れ、
「日本地質学発祥の地」などとして有名な場所です。
長瀞渓谷や岩畳などの観光名所としても知られています。
実はこの場所、アルファは2年前から地学実習として訪れています。
ちょっと問題を見ていきましょう。
まず、長瀞・岩畳・結晶変岩などの塾テキストには出てこないキーワードに、
受験生は驚いてしまったかもしれません。
問1 いきなりの難問。 普段あまり取り上げられない変成岩がテーマです。
しかしアルファ生は、汗だくになりながら河原で岩石と向き合った経験があります。
結晶片岩は平たい形で、パイの実のようで、はがれやすいこと、
大理石も石灰岩も塩酸で泡が出てくるから同じ原料であること、
でも大理石は石英みたくとうめいで間違いやすかったこと、
そんな経験を積んだアルファ生は、圧倒的有利に問題をスタートできたと思います。
川原の岩石を分類しました。結構難しいのです。
問2や問3では崖と川原の関係が聞かれています。
でも地学実習では、崖にのぼって真下の川の深さを感じたり、
川の向きと崖の位置関係を確かめたりしています。
川の深さ・川の向き・川原と崖の関係など、
理屈と実体験が結びつくとスッと感覚的に理解できます。
問4は、川原の石の並び。
川原の石の並びは、実習ポイントとしてこだわったところです。
写真の子は気にしていない様子ですが、周囲の石は全て、左の石が上に乗るように重なり、1個1個の石は右が上に傾きます。川が左から右に流れているからです。
問4は不整合の問題。
これは伊豆大島で観察してきました。
ことしも、秩父・長瀞や伊豆大島や、三浦半島への地学実習を予定しています。
これらの場所は、家族旅行でも可能な距離ではありますが、
そのためには相当の予備知識と、綿密な下調べが必要です。
私も以前、「とりあえず行って、その場で調べよう」と出かけた時には、
地学的要素はほとんど見ることができないまま帰ってきて
結局何度も行き直しすることになりました。
観光地と地学ポイントは違うため、案内板なども少なく、現地では調べにくいのです。
(電波も届きにくいし・・・)
こういった経験を通じて、アルファの卒業生は「地学好き」になる子が多いようです。
ただの地面が「地形」に見えてきて、その辺の石ころが「宝石」のように見えてくると、
大地が面白くて仕方がなくなるのです。
地学って、ちょっと地味ですがハマります。
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