先月のスタンダードコース「大気の圧力」
「水圧」「気圧」などとして出てくる 「圧力」 という言葉が、子供達は苦手です。
単なる「力」ならわかるのにね。
とはいえ、 自分が分かっていないことにすら気付いていない子が多いので 、そこを指摘するところから。
一斗缶を使って大気圧を見てみました。
まず実験前に、子供達に缶をギューギューと押してもらいます。乗っても踏んでもOK。
一斗缶は結構丈夫なもので、少ししかへこまない。
この缶の中に水を入れ、コンロで熱します。
水が沸騰してくると、水蒸気がふたから出てきて、水蒸気とともに空気が追い出されます。
そしてフタをする!(補強用のガムテープも)
しばらく待つと、中の水蒸気が水に変わり、気圧が下がってきて・・・・
外の大気圧に押されてグシャグシャに・・・
で、ここまではいいのです。
みんな楽しく実験して「ああ、すごかったね」で終わりになります。
でもアルファはここから1問題出します。
今この缶は、空気にどれだけの「力」で押されていたでしょうか?
前提知識:
1.大気圧は約1kg/cm2である
2.缶の大きさは 縦20cm 横20cm 高さ30cm
半分くらいの子達は20×20×30=12000gという答えを出します。
きっと手元にある数字から、とりあえず計算をしてみたのでしょう・・・。
<正解>
大気圧とは、1cm2を押す力のこと。
だから缶全体にかかる力は、缶全体の表面積を出さなければいけません。
表面積は、20×30×4(側面)+20×20×2(上下)=3200cm2
だから缶を押す力は3200×1= 3200kg なのです。 車2台分の重さです。
こうやって実際に目で見た缶の様子と、計算で出した数値を比較することで、
「この缶には3tもの力がかかっていたのか!」
と圧力の大きさを実感できた子供達でした。
※一昨年までは小さなボトル缶でやっていましたが、力の感じが伝わらないので一斗缶に変更。各班1個は結構コストかかるので小学校ではとてもできないハズ。
※「つぶれた一斗缶、記念に持ち帰る人!」と聞いたら、男の子数名が手を挙げるので、持ち帰ってもらいました。「変なゴミを持ち帰ってきた!」と驚いた保護者もいらっしゃったと思います。ごめんなさい。
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