先日、高校時代の旧友と話す機会がありました。
友人は仕事の傍ら、海外ボランティアを活発にしていて、カンボジアで自分の学校を作って運営していたりします。
そんな友人が 「理科の授業が座学ばっかりで、子供達がつまらなそうなんだよ。なんか面白い実験のネタはない?」 と聞いてきました。
私が実験教室を運営していることを知って、理科学習には実験が効果的だと思って聞いてきたのです。
「実験ネタ?面白実験のネタなんて探してないで、教科書に載っている実験をそのままやりなよ。その方が子供達のためになる。実験マニュアルを作ってあげるから、学校で使っている教科書を送ってよ。」 と私は答えました。
子供受けのいい実験の2つや3つ、喜んで紹介してもらえるだろうと期待していた友人は、予想外の答えに面食らっていたようでした。
世間では「理科実験」というと、あっと驚く結果になる実験や、わぁ不思議!と見ている大人も一緒に驚くようなものがイメージされている気がします。
科学館や実験ショーなどの実験イベントや、テレビ番組などではそういった実験がよく取り上げられます。
そういった実験ショーは、子供も喜びます。観客動員数も視聴率もかせげるでしょう。
実験ショーは、今に始まったことではありません。
「ロウソクの科学」という本の内容は、1860年にマイケルファラデーが講演した実験ショーを書きおこしたものです。
で・も・ね
子供の将来を考えて、力をつけようと考える実験であれば、
「あっと驚く不思議な結果」で終わるのは失格です。
原理が理解できない実験は科学ではありません。手品です。
●実験結果全てが子供に理解できること。
●実験を通じて自然科学の原理原則が身に付くこと。
●無理なく学習の順に沿った実験であること。
アルファでは、こういったことが大切だと考えています。
私達は、オリジナル実験はほとんどやりません。
私達が参考にする原典は、文部科学省の学習指導要領(小学+中学)。
これまで日本が国の威信をかけて、莫大な時間と予算をかけて培ってきた素晴らしい学習指導方法がそこにはあります。
ポッと出の私が、それを上回る実験を考案するなんて畏れ多いし不可能です。
私がやるべきことは、学習指導要領を読み込み、その意図をくんだ上で
それをどうやって楽しく授業に落とし込むかを考えて実践することです。
教科書の実験だけだったら、子供達にとってつまらない?
そんなことは全くないのは、アルファの授業を一度でもご覧になったら分かると思います。
学習指導要領の実験を子供達は大いに楽しみながら取り組むし、授業もとても盛り上がります。
そこは教える側の授業技術の問題です。
そんな素晴らしい原典があるからこそ、
アルファの実験内容は、そのまま塾でも出てくるし、中学受験にも出題されるし、
さらには中学の教科書に載っているのです。
子供達は学校や塾で同じ内容を習う時に、
「自分はやったことがある」
というのがとても大きな強みになり、理解が深まります。
「教科書の内容がよく分かる」
それが勉強の一番の楽しさだと私は思います。
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