基礎固め無しで受験を迎える子達|中学受験のためのアルファ理科実験教室

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  アルファ実験日記
【2013/5/16】

先日のコラムで、「6年秋以降の過去問演習は絶大な効果がある」と書きましたが、
学校別対策に入る前に、やっておかなければいけない重大なことがあります。

それは基礎事項を全て頭に入れること。
いわゆる「 基礎固め 」です。

4年生から6年前半まで、おそらく子供達は毎週毎週新しい内容に触れ続けます。
最上位クラスの子は、理解も速く、覚える力も強いため、
そのペースでもキッチリ頭に知識が整理された状態で収まっていくので、
あとは期間講習などでちょっと復習してあげれば、知識も完成に近い状態になります。

しかし偏差値60未満くらいの、大多数の子達はこうはいきません。
未消化のまま次の週の新しい授業が始まり、さらにまた未消化が積み上がります。
塾の帰り道では習った内容をポロリポロリと落としていく音が聞こえそうですし、
そもそも授業中に右耳から左耳へと抜けていく子も大勢います。

それでもなんとか6年夏になり、
「さぁこれまでどれだけ学習が積み上がってきたのか確かめてみよう」
と知識を復習してみると、
もうそれは惨憺たるもので愕然とします。
知識が虫食い穴だらけの状態なのです。

私が初めて6年生を受け持ち、その事実に気付いた時、
これまでこの子達に2年間教えてきたのは何だったのかと、
悲しくなりました。

まぁでも、今では慣れました。
というより、それが普通なのだと気付きました。



とはいえこれを放置して置いていてはダメなわけで、
虫食い穴状態は受験前に埋めていかなければいけません。

基礎知識が抜けていると、いくら難易度の高い問題をたくさんやっても、
そもそも問われている前提知識が足りずに、考えることすらできないのです。
過去問を大量にやっても、いつまでも成長できません。


実践的な問題演習に入る前の夏の段階で、
基礎固め」は絶対に欠かすことの出来ないステップです。


四谷大塚では7月に「四科のまとめ※」という暗記教材を購入します。
それを自宅で進めるよう、指示します。
この教材は基礎知識を網羅した素晴らしいものです。

しかし子供達にとって、この教材はこれまで取り組んできた問題集とはあまりに趣向が違い、戸惑います。 「一度解いて○付けをして終わり」という学習方法に慣れている子達は、この教材に大いに苦戦します。
「覚えろ」と言われても、「覚えられない」事実に直面するのです。



大学受験で経験されたことがあると思いますが、
英語構文集を「覚える」というのは非常に辛い作業です。

何度も何度も繰り返し書き、
何度も何度もしわしわになるまでめくり、
何度も違う色の蛍光ペンで強調しても、
やっぱり同じ文が覚えられない。

また同じ所を間違えた自分に、自己嫌悪に陥りながら、
問題集を放り投げたい気持ちをぐっとこらえて、もう一度向かっていく。



そんなつらい作業が必要となるのが、6年生夏以降です。


本来なら、時間に余裕のある夏期講習などでこの教材を徹底的に繰り返し、
子供達の基礎力を完成させるのが最高の方法だと私は思うのですが、
実際のところそのようなことは行われていません。

というのも塾は「授業」が売り物なので、
夏期講習などで「一度やった問題」「宿題として出している教材」など、
ひょっとしたら自宅でも一人でできてしまうかもしれないような教材、
解説が必要無いような教材を使用することはできません。
全く新しい問題を渡して、 解かせて、その場で解説する。
これこそが塾の授業価値だと思っているようです。

塾に行かなくても自宅でできてしまうような基礎固め方法、
「基礎問題集1冊を何度も何度も徹底的にやりこむ」という
極めてオーソドックスで効果のある勉強方法は、
今の塾の授業・講習カリキュラムに組み込むことができないのです。


そうはいっても基礎固めはやはり必要なので、宿題になります。
しかし子供達は、どのようにやったら力がつくのか、実感がわかないまま、どこまでやりこんだらよいのか分からないまま、分厚い教材を前に途方にくれます。
そして、ほとんどの子は「おこられない程度に一通り解いておしまい」という状態だと思いますが、それだと効果はほとんどありません。繰り返し繰り返し、手あかで真っ黒になるまで、しわしわになるまで1つの教材をやりこむ。
こういった指導がなされないからです。


以前、ある年の6年生の1クラスに限り、
講習用教材は授業時間の半分で切り上げて、
あとはこの「四科のまとめ」の演習時間にあてる、という試行をしてみました。
授業時間では全然終わりませんので、残りの大半は宿題です。
間違った箇所があれば、その大問ごとやり直し。
どこをやり直すか、一人一人の解答用紙を見て、指示を出しました。
3回でも4回でも、できない分野は5回でも6回でもやらせました。
ほとんどの子は、夏休みが終わっても完成せず、
9月・10月になってもまだ完成しませんでした。

夜、お母様やお父様、なかには祖父母から何回も電話がありました。

保護者 「うちの子が、四科のまとめがつらすぎると言ってくる。
  終わらない終わらないと、寝る時間も削って泣きながらやっている。
  せっかく好きだった理科が嫌いになりそうだ。
  桜蔭を狙っているわけではないので、うちの子だけ少しゆるめてもらえないだろうか。」

森 「やれば確実に力がつきます。ゆるめたらそこが穴になります。
  秋以降にそれがわかります。
  夏期講習の予習復習はいらないので、とにかく四科のまとめを優先してください。
  できないところは仕方ありませんが、できるところまで頑張ってください。」

そんなやりとりが、繰り返されました。
厳しすぎて多くの子を泣かせてしまったそのクラスでは、
秋以降、ほとんどの子の理科の成績がガッチリ安定してきます。
難問が分からないことはありますが、簡単な問題の取りこぼしがすごく少なくなっていったのです。そして弱点分野というのが多くの子で無くなりました。
そして受験。下位クラスとは思えないような結果が出ます。
ほとんどの子が実質的な第一志望の中堅校にバシバシ受かっていったのです。



「新単元の解説と、問題解説は塾で。」
「暗記と反復練習は家庭で。」

今の塾業界での常識です。

でも事実として、中位以下のほとんどの子達は、「覚え方」を知りません。
いくら「しっかり覚えろ」と言っても、知識は時間とともにボロボロ抜け落ち、
なかなか身に付きません。
覚える作業こそ、先生が見本を示しながら、授業でみんなで頑張らせるべきです。

今の塾は、問題だけは豊富で、いくらでも持っています。
しかし基礎を覚えていない子に、どんどん新しい問題にあたらせるのは、
私から言わせると極めて非効率な勉強方法です。

目の前に一度間違った問題があり、知識が足りないことが判明しているのであれば、
同じ問題を繰り返して解き、
カンペキに自分の力にしていくのが最も効率的な方法です。



「覚えるため」に何をどれだけやるべきなのか、
実際に体感させ、練習させ、覚え方をマスターさせ、授業で全部覚えて帰る、
そんな大手塾を、私は聞いたことがありません。


ほとんどの子は、毎日毎日たくさんの新しい問題を解いているうちに
いつの間にか夏が過ぎ、秋が終わり、受験がやってきて、
「基礎を覚え込まないまま」受験に臨みます。
それで思い通りの結果になる子もいますが、
思った通りにならない子の方が多いです。


何よりも、この学習方法の一番大きな弊害は、
莫大な量の問題を解いて、時間をかけて勉強してきたのに、
今後どのようにして勉強したら成績が上がるのか、
どのように覚えたら良いのか、
勉強の方法を全く身に付けられないことでしょう。

新しい問題に頼る勉強法では、
結局、中学に入ったら勉強方法がわからずに、
すぐに新たな塾が必要になってしまうのです。





アルファ個別指導では、まずは基礎固めを徹底的にやります。
1つの問題集を繰り返し繰り返し解いて覚え、完成させます。
その中で、弱点を把握して、そこに特化した指導をします。
大手の塾ではできない勉強方法です。

少しずつ、着実に自分がわかる領域を増やしていき、
「分かる・分からない・知らない」を選別できるようになってもらいます。
それができるようになったら、機械的に学習を進められるようになるはずです。

そして知識と理解が一定レベルに達したら、あとは過去問を使った演習です。

指導は理科だけですが、この勉強方法は他教科にも応用が利くはずです。
そして学習方法を身につけるのが一番の目的ですので、
中学以降もかなり役立つはずです。


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