個別指導の話を出したら、4・5年生からも学習相談が結構入ってきて、
せっかくなので、コラム記事にまとめました。
以下は塾通い中の4・5年生、偏差値60以下の子を対象に書いています。
以前四谷で指導していた時、疑問に感じながらもやむなく周囲に合わせていたのが宿題です。
クラス替えが頻繁にあり、同じ学年・教科の先生と歩調を合わせる必要があったからです。
例えば5年生なら、
授業を受ける(火曜日)
↓
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宿題@ サブノート(見開き2ページの穴埋めノート)
宿題A まとめプリント(簡単な語句確認&問題)→提出
宿題B 予習シリーズに付いている練習問題2ページ (改訂前は結構難しかった)
宿題C 演習問題集4ページ (かなり手ごたえがある)
宿題D 週例問題集の前年度版
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↓
テスト&解説授業(土曜日)
↓
翌週の授業
という具合に進んでいきます。予習シリーズを利用していない方は、宿題@〜Dがピンとこないかもしれませんが、ここで大切なのは「最短でも2時間はかかるであろう、5種類の宿題が毎週出ている」ということだけですので、そのイメージを持っていただけば結構です。
上位の一部の子達はスピードがあるのでなんとかなるのですが、
中位層のほとんどは「宿題を終わらせる」だけでいっぱいいっぱいになります。
下位クラスの子に至っては全然終わりません。「先生できない〜」と泣きついてくるので、「できればやって欲しいけれど、やらなくても良い」という部分を作っておきます。必ずやらなければいけない部分だけで「なんとか宿題を消化していく」状態になります。
できるかできないかギリギリ分量の課題を出し続けると何が起きるでしょうか。
子供達はいつも時間に追われるように宿題をやるようになります。
宿題が終わるとちょっぴり達成感と開放感を得ます。
そしていつの間にか 「勉強の目的は宿題を終わらせること」 になっていきます。
こうして頑張って宿題を全部終わらせても、
実はテストで平均点くらいしかとれません。
頑張って全部宿題をやっているはずなのに、
なぜ成績が伸びないのでしょうか。
それは やったことが「身に付いていない」から です。
なぜやったことが身に付いていないのか。
それは 「身につける努力と工夫」をしていないから です。
「勉強とは宿題を終わらせること」 と思っている子は非常に多いです。
でもそれって明らかに間違っていますよね。
勉強において「宿題を全部やったかどうか」なんてホントどうでもよくて、
「習ったことを、自分でできるようになったかどうか」 が大切なのです。
(先生との約束を守る、という意味においてのみ宿題完成は価値がある)
では「身につける」ためには、どのような工夫と努力が必要なのでしょうか。
子供達に決定的に欠けていると思うことを2つ書きます。
@ 「自分の手を動かして解く」
問題を解いた後の丸つけ。×の横に正しい答えを書きこむと思います。ほとんどの子がここまでやりますが、ここまででは勉強としては効果はごくわずかです。もうちょっと深くやる子は、間違えた箇所の解説を読むようです。それでも完成度は20%くらい。でもほとんどの子はここで終了します。
ちょっと待って!今読んだ解説、本当に自分で解けますか?
それを確かめるためには、
同じ問題をもう一度、白紙状態から自分で手を動かして考え、「身に付いているかどうか」確かめてみる必要があります。
手間ですね。面倒ですね。だから実際にやっている子は2割もいません。
せっかく時間をかけて解いたのに、間違った問題を身につけずに終了している子がほとんどです。
A 「完璧になるまで繰り返し同じ問題を解く」
それでも、上の「間違った問題を解き直し」している場合は、勉強をかなり分かっている方だと思います。
しかし惜しいことに、「自分は忘れる生き物である」ということを忘れています。
解説を見た直後の解き直しでは、頭に残っていてる記憶にひっぱられるように手が動くかもしれません。
それが本当に「身に付いていた」のか、「単にさっきのやり方をなぞっているだけなのか」。その区別は日を変えて解き直した時に判明します。
欲をいえば、解き直しは間違えた問題だけではなく、
最低でも大問全部、できれば周囲の問題も解き直す方が良いです。
間違いの周りには、偶然当たっていたものもあるからです。
こんな学習方法をやっていると、当然1回きり解いて丸つけ終了、
というやり方とは比較にならないほど時間がかかります。
勉強にかけられる時間が同じだとすると、
私が提案したやり方だと、演習量が減ってしまいます。
先の宿題
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宿題@ サブノート(見開き2ページの穴埋めノート)
宿題A まとめプリント(簡単な語句確認&問題)→提出
宿題B 予習シリーズに付いている練習問題2ページ (改訂前は結構難しかった)
宿題C 演習問題集4ページ (かなり手ごたえがある)
宿題D 週例問題集の前年度版
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は、ほとんどの子には不可能だと思います。
それで良いのです。
そもそも課題は全部やる必要は無いし、週テストまでに完成しなくても良いのです。
もっと大切なのは、自分が間違った問題を「確実に自分でできるようになること」だと思います。
レンガを1つ1つガッチリ固めながら積み上げていく、そういった学習姿勢が大切です。
こういった学習方法は、子供一人で進めるのは、はじめのうちは難しいかと思います。
個々の問題解説を保護者が教える必要はありませんが、子供が何をやって何ができていないのか、それを見ていてあげる必要があります。
もっとも、こういった細かい指示が難しいから、塾はあふれんばかりの宿題を出し、
効率は悪くても絶対量で押し切ろうとするのが実態なのかもしれませんが。
さらっとたくさんの問題を解くか、
限られた問題を身に付くまでやり込むか。
どちらかが間違っていて、どちらかが正解、ということは無いかもしれません。
でももし、今までやってきてなかなか上手くいかないなぁと悩んでいるのであれば、
ちょっと視点を変えて、学習方法を切り替えるという価値があると思います。
塾の宿題は、あくまで目的達成のための手段なのです。
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