アルファの授業は1回2時間授業を月2回。
通塾生は、遠方から片道1時間近くかけて来る子が多いので、
2時間の授業時間は極限まで「濃い授業」にしたいと考えています。
濃い授業とは、たくさんの経験を積んで、賢くなって帰ってもらえるような授業。
このためには、
1.実験数を極限まで増やす
2.忘れにくい授業内容にする
この2点を大切にしています。
1.実験数を極限まで増やす
通常、実験の8割は計画・準備・片づけに費やされます。(手間がかかる)
しかしアルファでは時間短縮のため、この部分は子供達にはさせません。
すぐ実験ができる状態まで下ごしらえした器具を、子供達の実験台にスタッフが運びます。その間、子供達は待つのではなく、授業が進んでいきます。実験の意義、実験手法の説明、結果の予測などを行います。それらが終わると同時にすぐ実験。
NHKの教育番組製作では、準備や予備実験を繰り返した後の、最高の実験映像だけを短時間で編集して番組にまとめていると思います。アルファの授業も、そんなイメージです。
実験が終わったら、子供達はすぐに今の実験結果を整理し、ここからわかる原理原則をまとめます。その間スタッフが実験器具を机から片づけていき、バックヤードで洗浄していきます。
まとめが終わると、間髪を入れず、次の実験の解説が始まります。
実験台には、いつの間にか次の実験道具が並べられていきます。
タイムロス無く、実験から実験に移行していきます。
解説終了と同時に実験が始められるよう、
私の解説内容と準備スケジュールは、舞台の台本レベルで決定されています。
舞台途中で道具が揃っていなくて劇の進行が遅れるのは失態であるように、
子供達に待ち時間を作るのは、私達にとっては失敗授業だと考えているのです。
このようにして、実験以外の時間を極限までそぎ落とし、実験と思考に集中できる環境を作っています。
2.実験内容を忘れにくくする
もともと手を動かして実験したことは、座学でノートをとる学習に比べて何倍も忘れにくいものです。しかしさらに記憶に深く刻み込み、定着率を上げるために、子供達に強い動機を持って実験させる工夫をしています。
ポイントは事前予想です。単に挙手による予想では効果が薄いので、誰がどのような予想して、どれだけ正解したのか、実験後に全員が知ることができるような仕組みにしています。正解が多い子達は、授業後半になると周囲から羨望と尊敬の眼差しで見られます。
こうすると、実験は「自分の考えが正しいか」を確かめる手段に変わります。実験に強い動機と感情を込ませることにより、淡々と実験する時に比べ飛躍的に強い印象を残すことができます。
6年生の受験指導をしている時に、1年以上前の実験を取り上げて「あの時、この実験やったよね」と聞くと、「やったやった。自分はこのように考えて間違ったけれど、実際はこうだった。」と、そのシーンを鮮明に覚えていることが多くあります。
このような授業で、子供達は次から次へとやってくる課題に大忙しで、
2時間授業が終わる頃にはヘトヘトになっています。
子供達の「あ〜疲れた〜」は、私たちへの賛辞と受けとめています。
例えば今月の4年生「金属と温度変化」という単元では、
以下の実験全てを110分間で行いました。(残りの10分は小テスト)
【@:ガラス・金属・発泡スチロールの熱伝導率比較】
↓
【A:金属の熱の伝わり方 〜 棒の場合】
↓
【B:上下への熱の伝わり方】
↓
【C:金属板を熱した時の伝導】
↓
【D:変形板の熱の伝わり方】
↓
【E:金属の種類による伝導率比較】
↓
【F:金属球を熱した時の膨張】
↓
【G:金属の輪を熱した時の膨張】
↓
【H:金属の種類による膨張率の違い】
※これに加え、2枚の金属を貼り合わせたバイメタルの加熱も行いました。
ここまでで110分。4年生1授業の内容です。
この圧倒的なボリューム感は、アルファの特徴の1つだと思います。
以前、授業見学にいらした中学校教員がこんなことを言っていました。
「次から次へと実験器具が出てきてすごいスピードで実験していく。こんな密度の濃い授業は初めて見ました。とても小学生の実験教室とは思えません。生徒の取り組む姿勢も、ウチ(中学生)よりよっぽどいい。そのまま中学の授業でやりたいくらいですが、ただ私達には予算的にも人員的にも労力的にも、ちょっと真似できそうにありません。大変驚きました。」
そりゃそうでしょう。ちょっとやそっとでは真似できないはずです。
だって私達、人生を賭けて実験教室やっていますから。
私達には知名度が無く、ブランド力も無く、マスコミとのコネクションも無く、資本力もありません。当然、自治体からの補助金もありませんので、いただいた授業料のみで教室運営をしていかなければいけません。
そんな中、無料の学校授業でも市町村補助の実験教室でも無く、
さらには最寄り駅にあるブランド力のある大手実験教室でもなく、
わざわざ私達アルファ実験教室を選んで、足を運んでもらわなければいけないのです。
そのためには授業内容だけは圧倒的に全国一でなければ話が始まりません。受講生が授業に感動して大満足して帰り、その後の成績として理科が頭1つ飛び出すような状況を作って初めて、私達がクチコミなどで紹介してもらえる可能性が出てくるのだと思ってます。
そうやって知ってもらわないと、実験教室を検討している方がいても、比較対象にすら入れてもらえない、そんな貧弱な状況なのです。
日本で一番の授業内容でないと、つぶれてしまう。
そんなものすごいプレッシャーがかかった中で、年中ほぼ無休で毎日毎日考え続け、授業に改良を続けています。
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