机に置かれた大きな紙。そこには文字が並んでいます。
「ア ・ バイ ・ カ ・ ド ・ ショ ・ バタ ・ ジャ」
森「問題。 ショは何でしょう?」
ほけ?となる子もいますが、勘のいい子はすぐにルールを理解します。
子供「ショ・・・しょ・・・衝撃?」
森「ブー。違います。」
子供「ショートケーキ」
森「あ、近くなった!」
えぇ?ショートケーキが近いの?一同ざわめきます。
子供「しょ・・・食塩・・・?」
森「ん〜、遠くなった。他のも考えてみて。バタとか。」
バタ?バタ・・・クラスで一人くらいひらめきます。
子供「ショクパン」
森「おお、ほぼ正解なんだけどちょっと違う。ショクパン・・・?」
子供「・・・マン」
森「ピンポーン、正解!」
正解はこれ。アンパンマンとその仲間たち。
子供達は懐かしのキャラクターに一気に童心にかえってしまう子も。
で、これで何の実験をやるのか。
次に人形の前に鏡を置きます。
鏡には人形がうつりますが、全てがうつるわけではありません。
うつる範囲が限られているのです。
では、誰から誰を見ることができるのか。
それを実際に調べてみよう、いうわけです。
これは「鏡にうつる範囲」として、受験ではよく出題される分野です。
人形の視点を正確に再現するために、こんな筒を使います。
もちろん、この経験だけでは本筋の理解にたどり着きませんので、実験で確かめた後で、作図で論理的に考えていきます。
先程ショクパンマンから見えたのは、どうしてバイキンマンだったのか。
どうしてドキンちゃんはアンパンマンを見ることができないのか。
上のように、光の道すじを一本一本たどることで理解までの道すじを指導します。
後にこの子達は、塾で同じ内容を黒板で習うことになります。その時はおそらく鏡の1枚だって手に持つことが無いまま、黒板に書かれた先生の図だけで学習することになるはずです。
そんな時、あらかじめ実物イメージと作図イメージが入っている状態の子は強いです。塾の先生が何の話をしているのか、実際の経験を通じて分かっていますし、何よりもどこが難しいかが分かった上で授業を聞くことができるのです。
アルファの授業は、ほとんどの塾より進度が速いため、基本的には「塾の予習」になります。「予習すると授業がつまらなくなる」と考える人もいるようですが、私は全くそのようには考えていません。予習することによって、自分が分かりにくい部分が分かります。授業で理解しなければいけない部分を知り、目的意識を持って授業に望むことによって、最終的な理解は深まるに違いありません。
※とはいえ、このコラムをアルファの授業前日に読んで「こんな問題が出る」と知っておくのは予習とはいいませんよ。それはテスト前日に正解を見てくるようなものです。本コラムは予習用ではなく、保護者にアルファの授業内容を知ってもらったり、実験の意図をお伝えするために書いているのです。
アルファの授業自体が予習なので、予習の予習はしてこなくても良いですが、やる場合は「予習シリーズ」や「教養のための理科」などの教材を使いましょう。
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