虹色の銅|中学受験のためのアルファ理科実験教室

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  アルファ実験日記
【2013/11/27】

5年生「金属の燃焼」の実験はまだ続きます。
ここまで、以下の3種類の実験をしてきました。
@ 鉄が燃えると二酸化炭素は出る?出ない?
A マグネシウムを燃やすと軽くなる?重くなる?
B マグネシウムは二酸化炭素の中で燃えるか?
実験はまだ続きます。今回は、授業内容を全て公開する勢いで書いています。

「次は銅を熱してみましょう」と言って、子供達の前に銅の粉を登場させると、一同ざわめきます。「え〜、燃やしちゃうの〜、勿体な〜い。」という子もいます。子供達にとって「銅」という素材は、「金→銀→銅」の順でとっても貴重な金属というイメージが刷り込まれているようです。
実際は電気配線や硬貨などに大量に使用されるほど身近であり、さほど高価でもないのですが、今回はあまり夢を壊さぬよう「勉強のためだからいいんだよ」とだけ言っておきます。 (※実験用の銅粉末は、それなりの値段がしますが。)

まずは銅の計量。

実験に用いる銅の量は、グループによって変化させます。
あとで全員のデータを付き合わせて1つの表とグラフにするのは楽しいものです。

そして加熱。アルコールランプでは熱が足りないので、ガスバーナーを用います。


さぁ、銅はどうなるか。


「あ!虹色だ」 誰かが思わず口にします。
赤銅色(銅)がわずかにオレンジに、そこから緑や青に変化し、まさに虹のような色を出しながら、最終的に黒(酸化銅)になるのです。
【 銅 + 酸素 → 酸化銅 】
私自身はこれまでこの反応を百回以上見てきましたが、何度見ても実に美しい色だと感動します。

これが受験テキスト(予習シリーズなど)では、下のように味も素っ気も無く書かれてしまいます。

確かに、この色を受験問題で出題する学校はないでしょう。しかしせっかく学んだ子達にこそ、本物を見てもらいたいものです。この反応の意味を知らない子達には「きれい!」としか感じなくても、アルファの授業では「銅+酸素→酸化銅」の知識と経験が同時に頭に入れられるのです。


銅が完全に黒くなったら、冷やして質量測定。

実験前に比べて、どのグループも1〜2割重くなっています。

ところでこの反応、多くの受験テキストには「1g銅を熱すると、1.25gの酸化銅ができる」と書かれています。しかし、実際に測定すると1.25倍になることはまれで、1.1〜1.2倍にしかなりません。
銅のつぶが酸化銅になる時、まず外側が変化してコーティングされてしまい、中に酸素が入らなくなってしまうようです。また、酸素が不十分だと、銅のまま残ったり、酸化銅(I)という実験では相当細かい粒の銅を使っていますが、それでもなかなか理論値通りにはいきません。受験問題的には、その解決方法として「一度冷やしてよく砕いて混ぜてから、再び加熱すれば良い」とありますが、実際の実験でロス無く砕いたり混ぜたりするのは難しいように思われます。思考実験としての出題なのでしょう。